【読書】インドネシアで読む『ウーバー革命の真実』
こんにちは、よっぴー(@YOPPIE92)です。
毎日の移動でゴジェック、グラブにお世話になっている日々です。
運転手の皆さんには足を向けて寝られないレベルです。
今回は日本で初めてのUberに関する書籍が発売されたということで、インドネシア在住目線での感想を書いていきたいと思います!
Uberとは
今回の書籍で扱われているのがアメリカ発の配車サービスがUber(ウーバー)です。
Uberのアプリを起動すれば、アプリ一つで車が呼べて目的地まで行くことができます。
アプリで目的地を設定しているので道案内も不要ですし、クレジットカード登録をしておけばキャッシュレスでしようが出来ます。
今までと違うのはやってくるドライバーもタクシー運転手ではなく、一般人。
ドライバーと登録して、アプリでマッチングされた人が自家用車で迎えに来ます。
値段については、天候や需要供給のバランスなど様々な要素を含めてダイナミック・プライシングという仕組みで値段が設定されているそう。
Uberとインドネシア
一時、Uberもインドネシアを含めた東南アジア各国に進出をしました。2016年3月の卒業旅行一人旅@マレーシアで、シンガポール訛りの運転手さんに乗せてもらったのを思い出します。
しかし2018年、Uberは東南アジアでの事業をグラブに売却し、事実上の撤退となっています。
車社会のアメリカと、バイク社会で物価なども違う東南アジアでは様々な違いがあったのでしょうか。
インドネシアでの配車サービス
インドネシアではゴジェック、グラブという配車サービスがメインで活躍しています。その普及スピードはとんでもないもので、街中で彼らのユニフォームを見かけない日はありません。
サービス内容はもはや配車だけでなく、買い物代行など生活の様々なところまで手が届くようになっています。
もともとゴジェックのサービスが普及する前は、オジェックというローカルのバイクタクシーが一般的でした。
Uberと違い、街中では比較的簡単に捕まえられるオジェックでしたが下記のような点が使用を妨げていたように思います。少なくとも私の場合にはこれらの理由でいままでほとんど使ってきませんでした。
①値段が曖昧
オジェックにタクシーメーターや値段表は存在していません。乗り先を告げて値段をドライバーに聞くしかありません。現代の日本ではなかなか存在しない値段設定の方法ですよね。
ドライバーたちが英語ができる、外国人をだまさないとは限りません。現に、他の街から来たひとが吊り上げられた値段で乗るなんてことも発生していたようです。
②道案内が必要
こまかーい道も知っているドライバーもいたりしますが基本的には知らないことも多いです。そうすると、どの道なのかどうやって通るかも説明しないといけません。
これって慣れない土地だと結構ストレスですよね、しかもバイクだし。
ゴジェックやグラブではUberと同じくアプリにて出発地・目的地を設定します。
そのため、ドライバーはお客さんを拾う時点で目的地をわかっているし、連携されたマップアプリを使って目的地までのナビを操作することが出来るのです。
③清潔感
ショッピングモールやオフィスビルの前でバイクに座りながらお客さんを待つドライバーたち、正直言って見た目は「THEローカルおじさん」たちです。
汗のにおいなども気になったりします。
グラブやゴジェックでは専用のジャケット・ヘルメットが使用されているので、従来のオジェックよりは比較的綺麗です。
しかし、普及が進み、年季の入ったヘルメットを渡される場合もあります。そんなときは「このヘルメットはずれだわ~」と思ったりしながら乗ってます(笑)
なぜライドシェアリングがインドネシアで普及したか
よく調べもせず書いてみますが、従来のオジェックで使いにくかった上記の三点が改善された上に、こういった点が普及を促進したのかなあなんて個人的には思っています。
①バイクタクシー文化
インドネシアは通年で25~30度と大変過ごしやすい地域がほとんどで、バイクの量もとてつもなく多いです。
日本の真冬にバイクの後ろに乗って帰ろうとはなかなか思えませんよね。
また、先述のオジェックがローカルの交通手段として十分に使われていたというのも、普及を促進したのかなと思っています。
②スマートフォン普及
日本での2016年時点でのスマートフォン普及率は70%を超えているらしいですが、日本の約二倍で世界第四位の人口を抱えるインドネシア、年々スマートフォンの普及率もかなり上がってきています。
2018年には45%を超えてきているそうです。
まだまだ低いじゃーんと一瞬思いがちになりますが、人口×普及率で考えてみます。
日本:1億2000万人×70%=8400万人
インドネシア:2億6000万人×45%=1億1170万人
なんと、日本の人口とほぼ同じ数の人たちがスマートフォンを手にしているわけです。
③副業
今回の著者である、立入さんは実際に運転手も経験されていて、その体験談を交えたお話もたくさん書かれています。
インドネシアで活躍するドライバーたちも、本業・大学に行きながら空いた時間で稼げる手段が増えたのです。
ジョグジャカルタではフルタイムで働いても最低賃金が月給1万5千円と、高くはありません。
そんな中で余暇時間を稼げるようになったのは一つの革命だと思います。
Uberとゴジェック・グラブの違い
私は本場アメリカでUberに乗ったことはありません。先述の卒業旅行の際にマレーシアで使用したのみです。
そのため今回の本の内容は知らないことも多く、同じように思っていたサービスたちの違いを見つけることが出来ました。
①支払方法
Uberではクレジットカード支払いが可能ですが、ゴジェック・グラブでは現金もしくは電子マネーでの支払いとなります。
スマートフォン普及率の高さの一方で、クレジットカード所持率はなんと約7%(1740万人)のインドネシアではなかなかクレジットカードという選択肢がなかったのかもしれません。
相乗り
Uberの中にはUber Poolというサービスもあるそうです。同じ方面に向かう場合に時間はかかるが安く済むというもの。
グラブでは時間単位でのレンタルカーなども始めていますが、相乗りというサービスは現状ありません。そもそも安いからこれからもこのサービスが出てくることはなさそう。
③メンテナンス
Uberでは車両検査のために、ウーバーグリーンライトというステーションへ定期的に出向く必要があるそう。
運転手側を経験したことがないからなんとも言えないけれど少なくともゴジェックやグラブについてそんな様子を見たことはありません。
普及が進み、おなじみの緑のジャケットやヘルメットも年季が入っているドライバーが増えてきているように思います。
シラミがいた!なんていう話も聞くので、ジョグジャカルタでは自分用のヘルメットを買いました。
管理はとても大変だろうけれど、点検することで特典を付けるか何かして、この辺はぜひ見習ってほしい、、、!
よっぴー的ライドシェアリングについて
ゴジェック・グラブが普及する前のインドネシアでの生活を比べると、飛躍的に便利になりました。
本当に本当に便利になったの!ライドシェアリング、本当に体験したことない人には体験してもらいたい!
法規制や既得権益と戦いながらも突き進むUberについて、今までのぼんやりとしたイメージから具体的な事例をもって知ることが出来てよかったです。
しかしUberには無く、ゴジェックやグラブにしかないサービスも買い物代行・家事代行などなどかなり増えているのも面白いところだと思ってます。
日本での普及については人件費が高い、規制が多い、などなど課題も多くあると思います。
だけれどサービスとして便利なものがカスタマーに選ばれていくという流れや、個人で稼ぐと言うことは必ず必要になってきている時代は必須でしょう。
Uberに限らずとも新しいサービスがどんどん普及していくのが楽しみです。
著者の立入さんのように色々な視点からインドネシアのビジネスを私も見ていけたらなと思います。サクサク読めたので書き方も参考にしたいです!
どなたか私に宿題で「〜を調べてこい」とかやってくれないかな(笑)
まあでも自分でどんどんやってみます!それでは、さんぱいじゅんぱ!